日本には、世界に誇れる技術や製品を持ちながらも、「海外展開のノウハウがない」「現地法人の設立リスクが高い」「現地ニーズへの適応が難しい」といった壁に阻まれ、国内市場に留まっている企業様が数多く存在します。
今回ご紹介するのは、創業50年以上の歴史を持つ日本の生活用品メーカー様の事例です。CreaTradeが提供する「貿易」「バックオフィス」「投資・新規事業」の3つのエンジンを段階的かつ有機的に組み合わせることで、単なる輸出にとどまらない、アジア市場での「事業の創造と定着」を実現しました。
課題:品質には自信があるが、アジアへの「売り方」と「足場」がない
クライアント様は、日本の伝統的な職人技術を活かした高機能な生活用品を製造されています。国内では確固たるブランド地位を築いていましたが、少子高齢化による市場縮小を見据え、親日感情が高く市場規模も手頃な台湾への進出を検討されていました。
しかし、社内には海外事業部が存在せず、以下の課題を抱えていました。
- 販路の欠如: 現地の有力な小売店やECチャネルへのコネクションがない。
- 人材と法務の壁: 現地に駐在員を送る余裕はなく、法人設立や労務管理の知識もゼロ。
- 商品適応の不安: 日本仕様の製品がそのまま現地の生活様式に受け入れられるか不明。
STEP 1:Trading(貿易)による市場テストとブランディング
まずは当社のTrading事業部が介入し、リスクを最小限に抑えたテストマーケティングからスタートしました。 単に製品を右から左へ流すのではなく、現地のトレンドに精通したマーケティングチームが「現地で響くストーリー」を再構築。パッケージデザインやキャッチコピーを現地語のニュアンスに合わせてローカライズし、最適な物流ルートを設計しました。
結果、主要な高級百貨店でのポップアップストア展開に成功。「日本の高品質な製品」というだけでなく、「今の台湾のライフスタイルを豊かにするアイテム」として認知され、初期ロットは予想を上回るスピードで完売しました。
STEP 2:Back Office(バックオフィス)による経営基盤の構築
輸出販売が軌道に乗り始めた段階で、クライアント様は「より利益率を高め、顧客と直接つながるために現地法人を設立したい」という決断をされました。 ここで当社の**Back Office事業(TEAM-X)**へバトンタッチ。
複雑な台湾の会社法に基づく法人設立登記はもちろん、現地の優秀なスタッフの採用支援、就労ビザの手配、毎月の会計記帳から税務申告までを日本語でフルサポートしました。これにより、クライアント様の本社担当者は日本にいながらにして、法務・労務リスクに悩まされることなく、現地の売上拡大戦略にのみ集中できる環境が整いました。
STEP 3:Investment(投資・新規事業)による「現地専用モデル」の共同開発
現地法人が稼働し、顧客の声がダイレクトに届くようになると、ある課題が見えてきました。「日本の気候には合うが、高温多湿なアジア地域では素材の耐久性に懸念がある」というフィードバックです。
そこで、当社のInvestment & New Business事業部が参画。単なるコンサルティングではなく、当社もリスクとリソースを投じる「共同事業」として、現地気候に特化した新素材モデルの開発プロジェクトを立ち上げました。 当社が蓄積してきた現地のサプライヤーネットワークと市場データを投資(提供)し、クライアント様の技術力と掛け合わせることで、わずか半年という短期間で「アジア市場専用モデル」を開発。これが爆発的なヒットとなり、ブランドの第二の柱へと成長しました。
成果:点を線に、線を面にする「共創」
このプロジェクトの結果、クライアント様は以下の成果を上げられました。
- 進出初年度で黒字化を達成
- 現地スタッフのみでの自走可能な組織体制の確立
- アジア専用モデルの逆輸入による、日本国内での新たな話題化
「貿易」で市場を切り拓き、「バックオフィス」で守りを固め、「投資・開発」で未来を創る。 CreaTradeは単なる代行業者ではなく、事業のフェーズに合わせて最適なエンジンを切り替え、加速させる「アジア共創ファーム」として、今後もクライアント様と共に成長を続けてまいります。
